| | |
|
「役に立たない機械をつくった男」
このフレーズに興味を惹かれ行ってきました。 ブルーノ・ムナーリ展

ムナーリ本人との親交もあり、彼をよく知る人が日本にいたおかげで、彼の作品が細かく丁寧に説明されていた展覧会だった。 実際、その説明のおかげでひとつひとつの作品がよりよくわかった感じがする。
・・・あれ?!モビールのことか!と思いきや、 ムナーリの中ではモビールとは一線を画す位置づけの天井から吊るして風で動く「役に立たない機械」をはじめ、 文字の印刷がない紙の質感と色彩の変化で物語が作られていく「読めない本」など、実に様々な作品が展示されていた。
彼の作品が、絵画やグラフィックデザイン、工業デザイン、造形教育など本当に多岐に渡る中、 晩年の作品、自分の子供向けにいい本がなく、つくりはじめたという絵本がどれもみな素敵だった。 きり絵のような手作り感いっぱいのそれらは自由な発想や想像力を湧きあがらせるような 様々な仕掛けに富んだとても斬新なもの。その制作絵本は、どれもその一部が開いた状態で展示されていた。 「闇の夜に」「きりのなかのサーカス」など国内で手に入るものもあるようで、実際、読んでみたいと思う絵本いくつもあった。

いろんなアーティストと作り上げた作品もいろいろあった。 中でも、イタリアの児童文学作家ジャンニ・ロダーリとの作品、「クリスマスツリーの惑星」 ムナーリの挿絵に、ジャンニのお話がもうほっこりで、きっと日本語訳もいいんだろうな。 たくさんのブースの中で一番ワクワクキラキラしていて、何度も見に戻った。

 Il pianeta degli alberi di Natale. Illustrazioni di Bruno Munari -クリスマスツリーの惑星 作 ジャンニ・ロダーリ 挿絵 ブルーノ・ムナーリ
フォークの歯を折ってつくったジェスチャーは、どれもユニークで本当に人の手に見えてくる。 それを写真に収めた本(たぶんその当時に発刊されたもの)は、よく行く雑貨屋にその本が飾られてあるのを思い出した。 おさるのZiZiもムナーリ作品だったんだなぁ。
イタリアリキュールのカンパリ広告デザインも展示されていて、どれもユニーク。 カンパリという単語をフォントや大きさ向きなどいろいろな形で試している。
 B. Munari, Agendina Prezioso Campari, Campari, Milano 1965
ムナーリの語る言葉は、初めて、聞く言葉もたくさんあったな。 架空の読めない文字という作品は、 アジア特に中国や日本の人たちからするとそれ象形文字だよね、みたいに思える作品もあった。 でもきっとムナーリは、アジアの文化に触れたときにとても衝撃を受けたんだろうと思ったり。 オリガミからインスピレーションを受けた作品もあった。

最後まで、精力的に作り続け様々なモノへの興味が枯渇することもなかったであろうムナーリの作品は ユーモラスで創造力溢れた自由なものばかり。 アートをより身近に、鑑賞だけでなく実際みんなが楽しめるようにということに熱心だったことがわかる。 ポスターをたまたま見かけ、何も知らずに足を運んだけれど、本当に楽しい展覧会だった。

ブルーノ・ムナーリ(1907-1998) イタリア・ミラノ生まれ。イタリアを代表する芸術家・デザイナー。 一生涯を通し、その多彩な活動で、幅広い分野で活躍。
〓●BALL TONGUE●〓 オンラインストア(*BTオリジナルアパレルやDEAD FRESH CREW、各種輸入品や雑誌など)、 〓●BALL TONGUE●〓 雑貨(*手づくり一点モノのBTzakkaやキャンドル、輸入雑貨など)もご覧あれ。ここにしかない、クールな商品多数アリ。
NBA連夜放映中!観戦バーチャージ等はないので、どうぞお気軽にご利用ください。 さてっ、この木場のバスケカフェブログ、はて何位??
By hojaluna
|
|
| | |